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「コミュニティサイトのあるべき姿」
法政大学教授 西川英彦氏インタビュー

カテゴリー: 情報モラル・リテラシー教育 / インターネットの安心・安全をめぐる動き

大事なのは新しいコンセプト

性能・機能の差異でなく、価値の差異で特徴を出さないと企業は残っていけないだろうと述べる法政大学経営学部の西川英彦教授。主にマーケティングの視点からコミュニティサイト運営の未来について語ってもらった。

法政大学教授 西川英彦氏

西川英彦氏
法政大学 経営学部 教授
1962年兵庫県生まれ。1985年同志社大学工学部電子工学科卒業、同年株式会社ワールド入社。2001年ムジ・ネット株式会社取締役。2004年神戸大学大学院経営学研究科 博士課程後期課程修了。博士(商学)。2005年立命館大学経営学部准(助)教授、2008年同教授、2010年4月より現職。
専攻:マーケティング論、ユーザー・イノベーション論
主な著作:『小売業の業態革新』(共著、中央経済社)、『ビジネス三國志』(共著、プレジデント社)、『1からの流通論』(共著、碩学舎)、『仮想経験のデザイン』(共著、有斐閣)

西川先生とお会いしたのは、先生がコーディネイトされているセミナーの講師としてお招きいただいたときでした。西川先生は、マネジメント、マーケティングの視点から、多くのコミュニティサイトのビジネスモデルを研究されていらっしゃいます。コミュニティサイトは、コミュニティを提供するというある種インフラ的な役割を果たしますが、当然、経済活動をする営利企業でもあります。コミュニティサイトのあるべき姿を考える時に、経営を抜きには語れません。今回は、経営学のお立場から貴重なお話をしていただきました。ぜひお読みいただければ幸いです。

観察し、関わりを持つこと

—石川県条例、東京都条例案など携帯電話使わせないという条例が出てきていますが、どうお考えですか?

携帯電話での情報が、子どもたちの目に触れない方が良いのか、あるいは多少は触れながら学習した方が良いのかは、正直よくわかりません。子どもたちが利用あるいは学習している姿を親が見ることができないことが問題なのではないでしょうか。利用のプロセスが見えていないように見えます。

有害情報と指定されたものを規制すれば、子ども達の行動や、ネットの利用方法について見なくて良いという話ではないですよね。ネット上のサービスは複雑化していますし、またサービスの行方は誰も想定できない。その中で、現時点で何かを規制をしたとしても、抜け穴はあると思います。だからといって、規制しなくて良いという訳ではなく・・・。ご質問に対して、直接の回答はできていませんね。また具体的な手法を問われたらすぐに返事できないですが、親や教員が子供の利用の仕方を観察すること、そもそも子供に関わりを持つことが大事だと思いますね。

—デジタルネイティブと呼ばれる子ども達の今後のインターネット環境について、コミュニティ提供者は、どうすればよいのでしょうか?

コミュニティ提供にとって難しいのは、大人が考えている安全で安心な環境では、子どもは楽しくないだろうし、そもそもビジネスが成り立たない可能性があることです。子供の利用動向を観察して、企業はリテラシーに応じたマネジメントを行うことが必要だと思います。サイト上で何でも利用できる環境を与えるのではなく、最初のうちはシンプルな機能で良くて、成長、段階に応じて、与えられる環境が変化していけば良いなと思っています。

—コミュニティサイトの側からリテラシー教育をすべきだとお考えですか?

そう、思います。その基本の部分では、魔法のiらんどさんがやっているような安心安全に対する教育も必要になってくるかと思います。実際に学校まで訪問して、リアルも含めて社会的な活動もされていますよね。まさに、これはリテラシー教育です。コミュニティの安心安全さとコミュニティの面白さという差別化についてどう折り合いをつけていくのかというように、マネジメントは難しいですが、必要だと思います。

コミュニティサイト、教育について

—コミュニティサイト提供者は、サイトの面白さの追求、そしてビジネス化できるかどうかがスタート時のテーマだと思いますが、サイトの規模が拡大し、影響が大きくなってくるにつれ、社会の要請として安全性を迫られてきます。現場では常に悩みつつ、対応しています。コミュニティ提供者側は速やかに削除対応をしていくという努力をしていけばいいという話もありますが、社会全体でこういった事を考えられないかなと私は考えているんです。

コミュニティサイトの領域は広く多様で、また深く生活に浸透してきているし、そういった状況の中でサイト提供者としてこれからの方向性をどのように考えていけばよいのでしょうか。

提供会社は大手のところもあれば、小さな企業もあって、おそらくマイナーなところがメジャーな企業との差別化を求めて、安全面より面白さを優先して提供するかもしれないですよね。

—ある程度、大きくなって、成長していくプロセスの中で、何度か、アングラ化するかメジャー化するかの選択を迫られていくようです。例えば、EMAの認定をとるか遮断されたまま大人向けのサービスにするかは悩みどころと聞きますね。

結局、あるサイトを規制しても、そのサイトが別のサイトへ移ってしまう。もっとアングラ化した別のサイトにユーザーが移ってしまえば意味がないですよね。そういう意味では、提供会社だけではなく社会全体で考えていくべきだと思いますし、先ほどから話しているように、両親、学校を含めて利用状況を見ていくしかないかなと思いますね。

子どもたちが危険な、安心ではない状況に陥っている可能性があるということをもう少しPRしていくしかないと思います。PRすることで、学校、親に対して現状を理解してもらうしかないかなと思います。

今の学生を見ていると、書き方や送り方などメールの使い方がほとんど分かっていない人が多いことに驚きます。機器を使うリテラシーには強いかもしれませんが、全体的なネットに関するマナー、どう使っていくのかといったリテラシーはそこまで高くはない。学校、親がこうした基本的なリテラシーとなる部分に目を向けないといけないと思います。

そうなると、提供会社だけがリテラシー教育を行っていくというのは無理がありますね。提供会社が、社会全体として考える課題を発信して、理解してもらわざるを得ない。とはいえ、そのことについて啓発していくのも、そう簡単ではありません。

今、学校のカリキュラムの中でのリテラシーの教育ってどんな感じですか?

—高校では情報科で勉強しますね。また今年になりますが、「情報モラル教育」が学習指導要領の新たな指導項目として盛り込まれました。

多分、その学習プロセスの中のどこかで親が関わっていくというのがあるべき姿でしょうね。子どもも保護者も、ポジティブ、ネガティブな面を含めて、つまり、ネットを使ってどう成長したか、どのような危険な目にあったかをセットで理解していくことが必要なのかなと思います。こうしたことを、皆さんは伝えていくしかないんじゃないかなと。そういう話題を含めて、家庭、学校で話していかないと、企業だけだとか自治体、国だけで動くのは難しい。

マーケティングの視点から

—コミュニティサイトの今後を考える時、サービスの継続と、安全性も含めた青少年の問題をバランスよく考えなければいけないという課題があります。これからはどうなっていくでしょう。

社会全体で、よりネットを使うことが当たり前になって、ネット社会という言葉が意味をなさなくなってしまうぐらいになっていますよね。現在、インターネットを使っていない企業も、自治体も含めて、ネットの利用が進展するでしょう。今後、ネットが主軸になっていくビジネスの可能性も十分高い。そこでの生活の仕方、関わり方が大事になっていくと思います。

しかし、今の日本のコミュニティサイトの状況は、ユーザーによって消費尽くされているように感じているんです。駄目になっている感じはありませんか?

—コミュニティサイト自体が消費されている?

そうです。消費され飽きられてしまっているのではないかと。もしかしたら、ユーザーのネットリテラシーが上がってきた時のマネジメントが、あまりうまくいっていないために消費されてしまうかもしれません。例えば、初級者、中級者、上級者によってマネジメントを変えるというのが必要でしょう。サービス提供者など企業側のマネジメントを変えていかないといけないですね。長く使っているユーザーに対して、リテラシーに合ったものを提供していかないと飽きてしまったり、疲れてしまうというのがあるんじゃないでしょうか。

ネットコミュニティのアクセス数の推移を見ていると、移り代わりが激しいですよね。おそらくサービスが進化しないと人が移ってしまう。その問題は大きいです。ユーザーのリテラシーに応じたコミュニティマネジメントが必要で、それが求められると思います。マーケティング的にいうと、ユーザーの動向を、段階に応じて把握するとか。ターゲットの属性や、行動、リテラシーを見ながらマネジメントしていくしかないかなと思います。運営者の皆さんは、ユーザーを一様に見ているわけではなく、段階に分けて、それぞれに応じた戦略というのを考えているんですか?

—小さいところは、マネジメントという意識がない会社もあるかもしれませんね。新しく人気が出るところが、体制の整った大きな会社とは限りません。小さく始めて大きくなってしまったみたいな所のほうが多いと思います。だから、サービスの成長にマネジメントが追いつかないということもあるかと思います。

中国に「起点」というサイトがあって。魔法のiらんどと同じような小説のサイトです。ユーザー全員ではないけれども、ある基準で選択された人たちに対しては、小説の書き方の指導を行い、ユーザーが継続的に成長できるようにマネジメントを積極的にされている。さらにいえば、起点は作家のスキルに合わせたマネジメントの基準を設けながら、それぞれ収益モデルが違う点も特徴的なんです。

—コミュニティサイト運営の流れは、ユーザーが変わるごとに変わっていくように思いますが、それが自分たちで整理できてないかもしれません。そこの辺りが課題なんじゃないかなと考えています。

一方で、サイトは、独自性つまりブランドが大事だと思いますね。それぞれのサービスにおいて、何が違うかという特徴がなく、類似サービスばかりに見えます。本来なら、自社ならではという独自性がないといけない。

リアルの海外ブランドは、今あるブランドをいかに活性化していくのかと考えていますよね。P&Gさんなどは顕著です。一方、日本企業は、新商品を出す度に新しいブランドを立ち上げてしまうことが多いように見えます。そうすると、広告宣伝費、管理費もかかり、営業マンも説明を新たに覚えなきゃいけない。すべてをゼロからやらないといけない。コミュ二ティサイトには、そうなってほしくないですね。ただ、消費された感じがするということは、そうした傾向があるのかもしれないですよね。ブランド自体がダメになっているのではなく、中のサービスや技術がダメになっているかもしれないということが考えられていないようにみえる。

消費者の想起できるブランドは限られています。ネットコミュニティといえば何々、ケータイのゲーム、小説では何々というのが出てくるはずなのに、次から次へと新しいサイトが台頭してきるというのは、偉そうですが企業努力が足りないんじゃないかなとも思います。

大規模サイトと呼ばれる何千万も会員がいるサイトになれる確率って、おそらく全体の何千分あるいは何万分かの一ですよね。それで、大規模サイトになった後にマネジメントがないというのはもったいない気がしますね。そこに追いつくために、またものすごいコストと労力をかけて新しい企業が仕掛けてくるわけですから。

楽天は、球団というリアルビジネスに参入し、ネット以外だけではなく「楽天」という社名をいろんな所で見かけますよね。いわゆるクリックアンドモルタルという垣根のない設計で、ネットにアクセスしなくても接する機会を増やしています。ネットとリアルの垣根を越えた意味がすごくあると思います。垣根を超えたトータルなブランディングが必要な時期だと思います。アットコスメさんも、リアルとの連携を模索していますよね。

—現実とネットの境目がなくなってきているんですね。

社会全体でインターネット抜きに語れないということは、ネットだけで語れないということも事実です。人は、始終インターネットと触れている訳ではないし、ネットだけで語ろうとしている企業も視野が狭くなっていく可能性がありますね。これからは、統合的な企業にうまくいくところが増えていくでしょう。そうでないと、新しい企業にスイッチングされてしまうと思いますね。

3年後、5年後のネット社会

—3年後、5年後のネット社会はどのようになっているとお考えですか?

確実に大容量データの送受信ができるようになるんでしょうね。WiMAXなど新しい高速データ通信は、便利ですよね。アクセス数も増えていくだろうし、陳腐な言い方ですけどユビキタス社会になっていくんじゃないでしょうか。大学によっては、パスワードなしでフリーでWiFi使えますしね。動画もテレビと垣根もなくなってくるだろうし、オフィス内とオフィス外との関係もなくなってくるでしょうね。3、5年後の社会を考えると、より移動中の利用が増えると見込まれ、そういった行動を意識したサービスとかが出てくるでしょうね。このように、ネット環境が整備されていくというのが大きな話しだろうと思います。

それに合わせて同時に、先にも話していたようにユーザーのリテラシーはますます上がっていくでしょうね。その結果、熱中するユーザーがいる一方、そうでないユーザーも出てきますよね。その時にどうやってビジネスで儲けていくかは難しいでしょうね。そのためには、サービスのブランディングしかないのかなと思います。既存ビジネスにおいて、現在も残っている企業は、自ら新しいカテゴリーや市場でブランドを作ったところです。ミニバン、健康緑茶、そういった何々といえば、○○といったように連想できるような新しい製品やサービスです。横並びで類似したサービスが多い中では、ブランドがないとユーザーの囲い込みができなくなってきているように思います。アバターアイテムの数が多いだとか、新しいサービスがあるだとか、性能、機能の差異でなく、価値の差異で特徴を出していかないと残らないんじゃないでしょうか。なのに、機能だとか仕様の差異で戦っているような感じを受けますね。それは駄目なんじゃないですかね。新しい市場を作っている企業というのは、自社の製品やサービスを既存製品やサービスにはない位置に、ポジショニングしているところです。まさに新しい軸を作っているところなんです。新しい技術だけではなく、新しいコンセプトを打ち出すことがすごく大事なんですね。

さらにいえば、競合がそのコンセプトを模倣しようと思ったら戦略的ジレンマを覚えるというようなことが面白いですよね。例えば、一橋の沼上先生の著書『行為の経営学』によると、ジョンソン&ジョンソンが小さな歯ブラシを出した時、ライオンはすぐに歯ブラシを出せなかった。なぜなら自社で歯磨き粉を出しているので、追従するという戦略を選択できなかったと聞きます。

花王は、それまでのシャンプーでの訴求ポイントであった「ブロンズヘアー」に対抗して、「アジアの黒髪」というコンセプトでアジエンスを打ち出したんですね。次いで資生堂がTSUBAKIを出し、花王が切り開いたアジアの黒髪という市場に対し、日本人にはアジアより「日本の黒髪」でしょうということで、そのアジアの黒髪という市場の上に日本人の黒髪というコンセプトを打ち出した。できた市場の知識に覆いかぶさるように新しい価値を付けている。そういうのが大事な気がするんです。
ですから、内部の市場を互いに食い合うんじゃなくて、ケータイゲームが出てきたら互いに棲み分けて新しい独自の価値を付けて市場を大きくしていくとか、消費者に飽きられないとか、必要ですよね。ライバルがいないと市場は、大きくならないのです。かといって、食い合うようなことばかりしていると業界あるいは製品・サービスのカテゴリー自体が小さくなってしまうので、それはあんまり面白くないですね。

模倣困難な何かがあるのは大事ですね。例えば魔法のiらんどさんがされているように学校に行くとかですね、他がまだあまりしていないですからね。そして、他がするようになってきた時に、カテゴリーのリーダーは誰かというのを意識されるようにアナウンスメントをしっかりするといいんですよ。そうすると世間の人が一番手はどこだと認識しやすいんです。

ライズ&トラウトの著書『マーケティング22の法則』によると、既存市場を見るとカテゴリーを一番に作ったカテゴリーリーダーは、ほとんどが未だにナンバーワンの位置をキープしているんです。けれどカテゴリーリーダーだからといって、ほっといたらダメなんですね。ちゃんとアナウンスメントをしていかないと消費者に認識されません。せっかく良いチャンスをつかんだのに、アナウンス、プロモーションが下手な企業が多いように思います。出来た市場、自分が作った市場がどうすれば大きくなるか、より強固になるかを考えるという視点が大事だと思いますね。

一つの例としてキットカットを挙げます。キットカットは、九州の量販店での「きっと勝っとう」という語呂合わせが、受験生に対しての「きっと勝つ」というコンセプトにつながった。ネスレは、そのコンセプトを広めるために、東京のホテルの受付で受験生にキットカットを渡してもらった。「サクラサク」というメッセージと一緒に渡すと、受験生が今まで見たことないような笑顔でお礼を言ってきたそうです。ネスレは、ホテルの人達から来年もこのキャンペーンをぜひやりたいという言葉をもらった。そこに取引関係はないのに、ネスレ、ホテル、受験生の関係で、新しい価値が生まれているのです。これを朝日新聞が取り上げてセブンイレブンもその輪に参加し販売始めた。

東大近くの駅や、電車の車体広告も、受験生を応援したいという人々によって幕やシールが貼られた。幕やシートに描かれた満開の桜の中には、キットカットがあった。私の師匠の石井先生いわく、キットカットでは、自分たちではなく第三者を巻き込みながら一緒に渦を大きくしていったことが成功のカギだったという。そして、キットカットは、昔は量販店で安く売られていた商品だったのが、定価で売ることが可能となった。商品の性能自体はまったく変わっていないのに、市場を大きくしたんです。さらに、他のメーカーのお菓子が二番手、三番手として追従したけど、キットカットの地位は揺るがなかった。こうしたやり方が、まさに市場を大きく作っていくというやり方なのかなという気がするんですね。そういう大きな渦を作れそうなんだけれども、巻き込み方が出来ていない。確かにそんなに簡単ではないとは思いますけどね。

コミュニティサイトのあるべき姿

—西川先生がお考えになるコミュニティサイトのあるべき姿はどのようなものでしょうか?

ネットとリアルを切り分けるべきではなく、社会全体でどういう形が望ましいのかということを考えた上で、マーケティング活動をしていかないと、ビジネス的にはうまく成り立たないとおもいます。ユーザーの安全安心という状況もネットだけの問題だけだと解決できない。社会を巻き込むようなコミュニティサイト、そういうことがすごく大事ですよね。

いま地域貨幣を調べているんですけれど、地域貨幣の肝はコミュニケーションです。住民同士のコミュニケーションを基にしながら、互いのサービスを得たり、モノを得たりと、住民間でサービスやモノが、地域貨幣を媒介に流通されている。このようにして、地域貨幣は、地域コミュニティを活性化していく。コミュニケーションが地域貨幣で促進され、逆に地域貨幣でコミュニケーションが促進されていく。

ネットコミュニティは、こうした実際の地域コミュニティと融合しても良いんじゃないですかね。もちろん、地域という物理的な制限と、ネットという物理的な制限を受けないものとの関係は考慮しないといけない問題ですが。コミュニティで得たものがネットだけに限定されなくて良くて、渦を大きくしていくと、子供から大人まで参加して、今とは少し変わっていく気がしませんか。

—また、働いている人の教育も課題なんですね。結局、幅広い視野、社会との関わり、コミュニケーションというものを学んできていないのかもしれません。専門の方たちもいるのかもしれませんが、例えば2000万人コントロールしていかないといけないというように、規模が大きくなっていることを考えると、私たちの学びが足りない感じがするんです。どういうふうにしたら良いかなと日々考えています。

小さい規模の企業が多くてなかなか大変だとは思うんですけれども、教育は必要ですね。ユーザー側、供給側、両方をちゃんと教育していくというのはすごく難しい問題ですが、教育すると考えた時に人数の少ない供給側に教えたほうが2,000万人に教えるよりも簡単ですよね。だから、ユーザー側のリテラシーとかモラルだとか言われていますが、まずは企業側の教育が大事です。内部で勉強会だとか、学習機会を作るとか、講師にお願いして講演をしてもうとか、必要ではないでしょうか。

例えば、大手メーカーは、内部に研修機関や教育プログラム持っています。だからと言って、それがうまく機能していない企業もありますが。ネット企業であれば、イーラーニングが得意な企業も多い訳ですから。そういう意味で、社会の役に立てるかもしれない。そこがないと根幹の部分は変わらない感じがしますよね。ぜひ、それを考えていただきたい。

日本の企業は、新しいブランドをどんどん出していて利益率は低い。P&Gは型数を絞り込んで利益率を高めています。実はお客さんは、そんなに多くのブランドを求めていないかもしれません。石井先生 がよく例に出すんですけれど、静かなハーレーダビッドソンは、誰もいらない。「性能」が良ければ「価値」が高いのかというと、どうも違う。コカ・コーラも、ニュー・コークっていう、既存のものよりモニターテストでおいしいと言われたニュー・コークを出したことがあるんですけれど、消費者からは「私の愛したコーラではない」とあまり人気が出ず生産中止したことがあるんです。

本当に、何がユーザーは欲しいのかを考える視点が大事なんじゃないかなと思います。ですが、日本のほとんどの企業は技術志向なんですよね。ブランドを作るのは簡単だと思っているようですが、ブランドを作るのは難しいですよ。少し難しい局面になると、せっかく作ったブランドを捨ててみんな違うことしたくなりがちです。しかし、今後、二度と魔法のiらんどというブランド、mixiというブランドは出てこないですよ。せっかく作った市場、ブランドを大事にしていってほしいですね。

—まだ始まったばかりの業界ですから、マーケティングやビジネスとしての視点から自分たちの現状をとらえ、考えるということも、当然のことですが、とても大事なことだと改めて感じました。事業が順調に継続してこそのコミュニティサイトでもあります。大変勉強になりました。ありがとうございます。

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