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「監視事業者の社会的役割と活動について」
監視事業者連絡会 座談会

カテゴリー: インターネットの安心・安全をめぐる動き / フィルタリング

監視事業者のあるべき姿とは?

インターネットの違法・有害情報に関しては、監視事業者という立場で関係している方々がいる。インターネット社会が成熟化する中で出てきた新たな業種である監視事業者の方々に、その成り立ちと役割について、対談形式で4社5人の方に集まってもらった。この4社は監視事業者連絡会を設立し、監視事業者としての社会的役割について考えている。コミュニティサイトのあるべき姿について考える時に、監視事業者の話は非常に重要な指摘がいくつも含まれているので、その事業内容について伺った。

座談会の様子

インタビュー対象者

  • イ-・ガーディアン(株) 営業部取締役部長 小田志門氏
  • イ-・ガーディアン(株) シニアマネージャ 小木智絵氏
  • (株)ガイアックス 代表取締役副社長 中島裕氏
  • ピットクルー(株) 代表取締役社長 小西直人氏
  • グロバレックス 中島啓吾氏

(今回は、デスクの鎌田さんも、監視事業者連絡会のメンバーの一人として参加され、鎌田さん司会の座談会形式でインタビューが進みました。)

監視事業者とは~監視事業者連絡会の成り立ち

—監視事業者連絡会を作られた経緯についてお聞かせ下さい。今年の4月にHPが立ち上がったんですよね?

グロバレックス中島:2010年4月に監視事業者連絡会HPが立ち上がりました。安心ネットづくり促進協議会に加盟したことをきっかけに、横のつながりを持った方が良いのではないかと思ったのが最初です。他社の方については、営業マン同士の顔も知らなかったですし、もちろん談合するつもりは全くないんですけど(笑)。

まず、ガイアックスの上田社長を知っておりましたので、上田さんと横のつながりを持つことについてお話しして、それから安心協の委員会で1回だけお会いした、鎌田さん(当時、魔法のiらんど)のところへ図々しくお願いに行きまして(笑)。この3社でまずは話をつけ、その後、業界関係の方にイー・ガーディアンとピットクルーさんを紹介頂き、顔を合わせましたのが2008年のことです。2009年の1年間は、認知度を上げることを目標としていたところ、ちょうど安心協の中で、監視事業者として一度プレゼンをさせてもらう機会をいだだきました。5社(イー・アクセス、ガイアックス、ピットクルー、グロバレックス、魔法のiらんど)連盟でプレゼンを行い、監視業界としては、こういう機能があって、取り組みをさせてもらっていると話したのが2009年10月ぐらいですかね、それが最初の活動となりました。次にコミュニティ業界で連絡会を作ろうと動きはじめました。

監視事業者として、自社で監視出来る会社、発注出来る会社以外に、小さいコミュニティサイトも監視をすることが社会的役割として求められていると考え、2010年の4月に、ガイドラインを作るための概念について発表させて頂いたというのが3番目の活動となりました。

我々としては、こういった活動を通して一応、5社(業界連絡会としては、グロバレックスとガイアックス ピットクルー、魔法のiらんど、イー・ガーディアンが加盟)で大手と呼ばせてもらいまして(笑)、インターネット業界の中での認知度の向上を目指しておりました。

2010年の4月に、半年間はこの5社でやっていくという方針となりました。他社から入りたいと言われても体制自体が固まっていないので、お待ち頂いているいる状態です。2010年度の下期、年末から年始にかけては広げていくのかいかないのかという話をしていました。

—それぞれの会社さんの概要をお話いただけますか?

ピットクルー小西:当社は、2000年からはじまりました。2000年と言うのはウィンドウズ2000が売り出された年なのですが、副社長をしております松本(取締役副社長 松本公三氏)が、インターネットの本格的な普及を見据え、その前に何か監視する組織が必要になるのではと、私の方へ話があって、それで始めたんですね。

現実としては最初の2年間はビジネスとして成立していなかったんですけど、2002年ぐらいからですかね、イーコマース、オークションなどの市場の発展が監視の必要性を後押ししました。

ガイアックス中島:ガイアックスは1999年創業ですが、コミュニティサイトの運営自体は98年、会社の設立前から初めていました。いろんな会社さんのコミュニティの運営に携わり始めた頃、mixiさんとかが出てきまして、世の中にコミュニティサイトとはどういったものかと一般の方に知られていく以上のスピードで、コミュニティサイト企業が出てきました。

サイトの構築は別の会社にやっていただくんだけど、運営は別ということで運営だけでも話がくるようになって、そういった中で、監視というもののポジションが徐々に大きくなって、今に至るということで、だから大体12年ぐらいですね。

—監視の業務が多くなってきたのはいつごろですか?

ガイアックス中島:監視が多くなってきたのは...。いつ頃でしょうかね、多くなり始めたのは2006年、2007年ぐらいからですかね。また、EMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)の審査が始まった2008年頃からさらに数段多くなりました。

イー・ガーディアン小田:イー・ガーディアンは創業が97年です。もともとは携帯のCPから始まって各キャリアさんの公式サイトの企画事業がメインでした。で、その中で掲示板サイトを運営していたので、社内で24時間体制での監視部隊を持っていました。これを外にも出せるのではないかということで2003年から外販をスタートさせました。その後、2005年に企画部門を切り離して、投稿監視事業に集中する体制としています。

魔法のiらんど(当時)鎌田:魔法のiらんどは1999年12月にスタートして、2000年の1月にはアイポリスをiらんどのサービスとしてスタートしました。

サービス開始時には、2000年頃の第一次のコミュニティサイト、ホームページ作成サービスや日記というのが出てきた頃で、公式サイトの掲載基準とは、また違ったルールで、ユーザー間トラブルなどの問題をどう解決していけば良いのかということを一から初めてきました。その中でノウハウを蓄積することが出来たわけですね。監視業務というよりはコミュニティ運用の中でどう安全を保つかという事で様々やっていくうちにスタイルができたわけです。外販は2006年ころからやり始めたと思います。一番初めはマイクロソフトのブログのパトロールでした。

グロバレックス中島:本業は93年開始で、監視事業者の中では割と古いんですけれど、それまではHPの作成に携わる部分が多く、今から、10年ぐらい前に携帯の公式CPを20サイト程度、運営していました。その中で勝手サイト上に某大手芸能プロダクションと組んで芸能サイトをやっていましたのですが、このサイト上で、めちゃくちゃな書き込みが増えてきて、24時間365日体制でやらざるを得ない、という所から初めて監視の体制を作りました。その後、監視の仕組み自体を貸してくれというのが最初です。

大手企業の取引が多くて、コミュニティサイトというより、メディアの下にコメントがあって、オークションサイトの違法出品を見てくれとか、そういうような仕事をしていました。またアプリをデバックする仕事とか、デバックと監視の間の仕事を行っています。ちょうど2年前頃に私が入社したのですが、中小のコミュニティサイトの監視の仕事を始めるようになったんです。監視企業としてはあまり名前を知られてないんですけど(笑)。

—監視がビジネスとして成り立ってきたのは大体、ここ5年ぐらいですかね?ガイアックスさんは学校裏サイトの監視を始めたのはいつ頃からですか?

ガイアックス中島:学校裏サイトの監視は、2006年か2007年頃ですね。

—ピットクルーさんは風評被害についての監視をしていらっしゃいますよね。

ピットクルー小西:設立した当初から行っていますね。

グロバレックス中島:風評調査の方が学校裏サイトの監視よりも早いと思います。ガーラ ※1 さんがシステムを立ち上げてきたのが先ですね。ちょうど私が昔、サーチエンジン企業にいたころにガーラさんガイアックスさんに相談した記憶がありますから。

ピットクルー小西:そうですね。個別の企業からのニーズはもともとある仕事ですからね。

—風評調査の市場規模は、全体からするとあまり大きくないですか?

ピットクルー小西:まだ、そうですね。日本はそこまで風評被害に対してセンシティブになる文化ではないんですね。

※1 株式会社ガーラ 主な事業内容: オンラインゲームの開発、運営サポート、サービス提供、リスクモニタリング、口コミリサーチ、レポートサービス、コミュニティ制作、ASPサービスの提供、運営サポートなど。)

監視の現場とサイト運営 基準とは

—監視会社のみなさんは、コミュニティサイト運営者から委託され、リアルな現場をみているわけですから、一番、監視としてチェックしなければならないところというのが分かっている。私はそこが重要だと考えており、先端の情報をどうコミュニティサイトの中に組み込んでいくのか、そこの中で安全性が確立されていくと思うんですけど、監視の部分を受託されているわけなので、その監視の結果というものがサービスにフィードバックされていますか?

イー・ガーディアン小田:難しい問題ですよね。難しいというのは、今は、それぞれのコミュニティサイトの立場や運営方法が全然違うと思うんですよね。それはビジネスですから自分のやり方だったり、信じていることがある訳です。コミュニティサイトというのは、新しいツール、ビジネスの形態になっていっているので、それぞれの哲学が違ったり固まっていない、そもそも業界全体が固まっていないんですね。AというクライアントとBというクライアントでは監視の範囲がかなり違っている。それを単に受託だからということで本当にこの基準でよいのかというのは、みなさんそれぞれ試行錯誤されていると思うんですね、ある程度、それぞれサービスの特徴で違ってくると思うんですけど、コアとなる部分の共通性は必要なのかなと考えています。外部や官庁の方から指導されるということもあるけれども、本来、ビジネスとして事業者としてサイト運営者に提供していく必要があると思っています。

ガイアックス中島:いろんなフェーズのコミュニティサイトがあるので、一概には言えない部分があるんですけれども、まずは何もやっていなかったけど、こういう事をやっていかないといけないのではという機運が高まってきている。そういった会社さんには一般的にはここまでやらなきゃいけないですよと、そこをアドバイスさせて頂きながら、どのようにその目的を達成すべきなのかということを話しながら基準を作っていく。

徐々にやり始めていくと基準のグレーゾーンといいますか、これは会社さんごとに違うんですけれども、どうしてもグレーゾーンができてくる。ユーザーはどのように反応していくのか、過去、どういう反応をしていったのかが重要です。EMAの基準だとか、キャリアさんはどう考えているかというのをお話させて頂きながら、現状では、社会的基準、守らなきゃいけないラインというのがそこになってくるので。そこをお伝えしながら基準を作っていくと。これは消すという判断もあるし消さないという判断もあるなというものだと。ここは話し合いの中で決めていく。最後は、ポリシーとしてどうするのかというレベルになってくる。ここまでやるとどう見ても社会的不健全というレベルではないんです。それ以前の話であればご理解をえられるし、明らかに不健全なものは監視をやろうという会社さんでは見つけていけるようになってきた社会的環境になっているし、我々も監視事業者として受け入れられるようになってきたかなと思います。

—現場のフィードバックは利用規約やグレーゾーンの判断に反映されるということですね。

座談会の様子イー・ガーディアン小田:EMA設立以降、昨年ぐらいから基準に関してはある程度EMA基準が浸透してきました。絶対押さえるべきポイントが、大体固まってきているかなと。ただ、監視をしても良いという会社に限った話なんですけど。そこに関しては割と契約サービスが提供されるようになってきているかなと、微妙なライン、グレーゾーンはサイトのユーザーさんの属性を見て、未成年が多い時には少しきつめに行こうとか判断してますけど。どうしても、ダメなものが載っているということは非常に少ないケースだと思います。EMAの効果かなと思っていますけど。

グロバレックス中島:ある程度、監視をしようというところに関しては、基準というのは○日以内に、とかフィルタリングのソフト入れてNGワード、違法行為に関しては消していくとか、イリーガルなものはみんなも分かってきていると思います。ただ、今は規制をすればするほど、コミュニティサイトが面白くなくなる。面白くなくなればユーザーが減る。ユーザーが減れば監視をやめようという悪いスパイラルに入っていっているのかなという傾向もあります。何でインターネットのオフ会のミニメールが送れなくなっちゃうのかとか、そういう本来なら健全な出会いも排除されてきている。現在のサービスを活かしたままで、ネット上で解決していかなければコミュニティサイトがつまらなくなっていくという傾向は、監視会社の立場から見ても恐怖です。ある程度の健全なコスト、基準だけじゃなくて、ビジネス全体のスケールを見てのコストの適正化というところまで見ていかないとビジネスとして成り立たなくなってしまうんじゃないかと。規制をかける側はビジネスが成り立かどうかは別に関係がないですからね。警察とかは、コミュニティサイトはなくなった方が良いんじゃないと思っているぐらいだと思うんです。ビジネスとして成立させていくにはどうするのかというのは次の課題かなと。警察と交渉というのは成り立たないので、警察というのは法に違反しているかどうかですから、覚悟というかガイドラインを考えていなかないと。また、監視しないでイリーガルな方が儲かるという部分がクローズアップされていくのは危険なことですね。ちゃんとしなければならないところはやっているよという啓発、コミュニティサイト側の情報発信、基準の整理が必要なのかなと。基準というよりかは業界全体の健全化の啓蒙が必要かなと。

インターネット上の安全、健全とは

—自社でコミュニティサイトを運営している企業はそのサービスの中でしか分からないですから、全体像は見えにくいと思いますが、監視事業者さんは監視、コミュニティサイト全体を通じて安全、健全であるインターネットの姿はどういった形が理想的であるかと考えていらっしゃるのですか。

ピットクルー小西:よく言うんですけれども、インターネットは交通量が増えてきた道路みたいなもので、車は性能が良くなってきていてスピードが出るようになってきているんだけれども、まだ交通ルールが出来てなくて信号を無視する車もいるし、反対側の車線を走る車もいる環境でしょうね。インターネットっていうのはこれほど便利な道具はしばらく出てこないと思うんですけど、逆に言うとルールがない分、リスクが出てきていて、どこかの段階で交通規則のようにルールが出来て安全性のあるインフラとしてのツールになるということになっていく、ここで安全性を確保できずにより安全性の高い別のインターネットを作らなければならくなると、終わりですからね。
どう使いこなすかを問われる時代に来ているんでしょうね。

ガイアックス中島:安全という言葉の定義、説明が非常に難しいなと思うんですけれど。

警察がいてどの国でも犯罪ゼロというのを目指しているかもしれないけれども、人が集まるところでは犯罪ゼロというのは難しいでしょう。どれだけ安全性の高い、というか、より安心してその場にいられる状態をインターネット上で成立させることが大切なのかなと思っています。そのためには何が必要かというと抑止が働いていることが重要になってくるでしょう。

ガイアックスではよく割れ窓理論という話をします。この割れ窓というのは、アメリカの研究者の方が住宅地に車を置き、ちょっと窓を割ってみたりとか、タイヤを1個はずしてみたりとか壊れる度合いを意図的に作ったんですね。そうするとタイヤを外されているレベルから、落書きされたり、その車から物を盗っていったりするようになったんですね。きれいなところに落書きをしようと思う人はいないだろうけど落書きがいっぱい書いてあると、書いても良いんだと思ってしまう。ここは悪態ついても良いところなんだと思わせない抑止の状態を作るというのが非常に大切なんじゃないかなと思っています。日本って、日本語で日本人同士でのサービスのやりとりが多い。サーバーが海外というものがありますけれども。倫理観の高い日本の中で安全なインターネットという時に 抑止力が働いているというのをきちんと伝えていくのが大切なのかなと思っています。

殺人予告など、法律で何かあれば裁かれるとメディア側の周知もあって、この二つを持ってインターネットだろうが、町を歩いていようが同じルールだということを知ればいいのではないかと。危なくない町もあるし、安心な街もある。危なくない町を作っていけばそういう状態が保てるのではないかと思っています。

イー・ガーディアン小田:やはりネット上でも普通の世界と一緒ですよという感覚をみんながもてるような世界が必要かなと思っています。現状はそうでないところもあるので、監視事業者がコミュニケーションをとれる部分は安心安全を確保していけたら良いなと。使う人に対しても新聞で犯罪事例を取り上げて罪になる事も含めてサイト上でもルールを作って教え込んでいき、使う側の教育というかリテラシーを上げていくのが理想かなと思っています。

グロバレックス中島:監視事業者の役割から見ると、リアルの世界では、警察、消防車、民間の警備会社ですよね。インターネット上で物事の進展が早すぎて、世の中がついていけてないので、監視事業者に対する期待が、消防車にも近いものがあります。書いたものを消していくというか、犯罪でもどこまで追いかけられるか、捕まえてくれるのかと。

利用者側もインターネットとはどういうものか学んでいかないと、本当に安全な世界ってできないんじゃないかと思います。リテラシーの高い世界にしていくというのが一つの理想ですね。変化が速いから、インターネットとケータイの世界だとか、そう言っているうちにスマートフォンが出てきてぐちゃぐちゃになっている。そういう世界についてユーザー自身が理解しているのが理想的です。それがあって、はじめて監視事業者の役割とかという話になる。ユーザーがスピードについていけてないという現状で、そこをフォローしながらビジネスしていくのが監視事業者の役割かなと思って活動しています。

—教育と切り離せないということですね。監視事業者として教育的役割をどの程度だと考えてられますか?みなさん、ユーザーに向けた啓発活動もしてらっしゃいますね。監視事業とはまた違った部分もあるのではないですか?

ピットクルー小西:監視事業とユーザーへの啓発活動は異なるものではないと考えています。理想をいうと、我々の仕事が必要のない、監視の必要のない世界であれば良いと思っています。IDをつけ、強く制限をし、監視社会に向かっていく方向と、使い方を教育していく方向のどちらかの方向にいくと思っています。多くの人は監視社会を望んでいないと思うんですね。本来的に言うとネット事業者がクリエイティブなものを生み出していくということが全体としてのインターネットの世界の成長の礎でしょうから。それをなるべく阻害しないというのが理想だと思います。ただ、そのためには、どうしてもしなきゃいけないと私自身、思っているのが、子どもを護らなきゃということなんです。それ以外のところはある程度自由で良いと思っているんですけれどもね。

そのために学校裏サイトの監視もやっている。ただ、裏サイトなど子どもを取り巻くサイトの監視をやったらみなさんわかると思うんですけれど監視だけでは済まない話なんです。親、先生、地域の教育を行っていかなければならない。監視というのは、その中のパーツでしかない。全体的なリテラシーと言ってよいのかどうか、わかりませんけれど、技術やサービスが進んでいくインターネットというのに対してどういう使い道をしていくべきなのかみんなで勉強していかなければならないねということで、みんなで考えていかなければならない。

私が小学生のころ、マンガ雑誌もありましたし、20年ぐらいたってテレビゲームもあって、それぞれ新しいもので親が見たことないものが出てきて、親と子どもとのギャップが出てくる。今は子どもが先行しているが親はついていっていない。もう少しするとゲーマーだった世代、今30代か40代になっていますよね、同じようにケータイやインターネットの環境を生まれた時から享受してきた人が親になる世代になれば違ってくるでしょう。もう少しだと思っている。そう考えると今が一番親と子どものギャップがある時期かなと思っています。周りとの間にギャップがある時期なのかなと。この時期を放っておくと荒れてしまってとんでもないことになる。

ですから、今が一番、タイミングとして業者も官民も含めてがんばらなきゃいけない時、というように思っています。

ガイアックス中島:監視事業者の役割として、子どもの教育を第一にやらなきゃいけないと思っています。我々が持っている情報を安心協のような場とか、官公庁、サイト事業者の啓発、学校現場にも提供していくというのが大切と思っています。「学校裏サイト」対策を始めたのもコミュニティという我々の活動するフィールドで、社会的トラブルがおき始めていて、何とかしなきゃいけないなと思っていまして、一段、ステップとしては踏み出した対応をしていると思うんです。学校裏サイト対策と言いながら、インターネットってどういうものか、コミュニティとはどういうものかということをみなさんにお伝えしながら、どうやったら解決できるのかの事例を教えているんです。その事例が大量に入ってくるのが、我々監視会社ですから、それを基にみんなで対策を考えながら精神的自由を作っていく、ということをしています。生徒さん親御さん、教師の方、教育委員会を含めて、バランスの取れた議論が出来るように偏らない情報を提供しながら対応していくというのは、引き続き、コミュニティに携わるものとしてやっていきたいなと思っています。

イー・ガーディアン小田:学校裏サイト監視というのは事例としては少ないんですけど、教育という点においては学校から相談を受けて個別にやり始めているところですね。

実際、やっているところはどんな事例、投稿があるか、どんな目に合っている子がいるかという所を教えることがメインです。なぜなら監視事業者にとって当たり前になっているNG投稿事例を見せても、学校側はこんなの本当にあるのという感じなので、まだ実態を知らないだろうと。そもそもコミュニティの中でNGになる率は低くて一般の人は目にすることは少ないのかなと感じます。事例を共有していって生徒さんだけじゃなくて、学校関係者の人も敷居を低く理解できるようにやっています。

グロバレックス中島:うちは、学校裏サイトの監視というのは仕事としては携わってないですが、警察庁の仕事で関連の仕事もあり、対象の領域は一緒の部分もあります。

我々の会社としてのスタンスは第一段階として、今やっている業務を通じて、実際にこういう事を書くと、消されたり通報されたりするんだよというのをユーザーに分かってもらう、体感してもらうというのがありますよ。二つ目としてはクライアントに対してこういう事を消していくのでガイドラインだとか、ガバナンスと言う形で規約等を一緒に作っていくというのが仕事だと考えています。3つ目にやらなければならないのは事業者、クライアントに仲間同士で意見を出したり、総務省、経済産業省に意見や情報を提供することだと。業界全体のスタンダードを共有していく、作ったインフラによって文部科学省さんなど教育の現場に伝えていく。初めて日本の国全体に広めていくということをコツコツやっていく。ここ2年3年ぐらいラジオ体操のように地道にそれをやっていかないと浸透すらしていかない状況だと考えています。

魔法のiらんど(当時)鎌田:みなさんご存じのとおり、魔法のiらんどは、早くから学校の教育を含め、さらにユーザーさんへの教育含め啓発活動を積極的にやってきた会社です。魔法のiらんどの場合は、監視と教育は全く一つと考えています。

3年後、5年後は?

—今、教育と全体の仕組み、監視の強度というのか、こちらが強くなればこちらが緩やかになって、そうしたせめぎ合いのところにいるように感じますね。監視や基準が整ってきたら教育が最も重要な課題となるのではないでしょうか?
教育の重要性と、自由と安全のバランスをとっていくところなのかなと感じています。
保護者の皆さんに、3年、5年後どうなっていくのかっていうことを事ある機会に問いかけていますが、それはある程度、皆さんがイメージし易いようにと考えているからです。その先のイメージがわからなければ、子供たちの為に何が必要で何を選択すべきかということを想像できないんじゃないかと感じているんですね。みなさんは3年後、5年後をどう考えていらっしゃいますか?

座談会の様子ピットクルー小西:難しいですけども、一言で言えば、すごく変わっていくと思いますし、それは中身、利用の程度も違うし、もっと言えば、見えなくなってしまうだろうと。

お米の炊飯器のようなもので、あれがコンピュータだと思っている人は誰もいないわけですよね。だけども自分がお米炊いてみろといわれたら炊けない訳ですよね。単なる道具としか思っていなくて、根っこでプログラミングされているなんて誰も思わない。おそらく3年後なのか5年後なのか分からないですけれど、少なくともインターネットはますます身近になり、わざわざネットにつながるということを意識せずになるでしょう。、水道のようにひねれば当然のように出てくるものだし、常につながっているのがあたりまえとなるでしょう。アドレスも無限に取れるような形になってきますから、極端な話、全てのものにある、IPv6でアドレスが無限に取れるようになれば、ペンにだってアドレスがついても良いわけですよね。どこで落としても誰が買ったものかが分かるということもできるわけですよね。したがって全ての情報を鍵として集めたり、物には情報履歴があるのが当たり前の世界にいつかなるんでしょうけど、それが実際に活用されるような世の中になってくるでしょう。

また、新たなツールとして電子ペーパーが登場したりと、小さなスマートフォンに毛が生えたようなものが出てきたりと、家庭であってもおじいいちゃん、おばあちゃんでもネットを活用するという意識がなく、テレビを見るような感覚でネットを使うようになる。あまりにも身近で生活にとけこんでいくようになっていくだろう。

それはそれで素晴らしいものになるんだろうと思うんですね。そこにいくまでにいくつかのハードルを考えて進化していくという時間軸の中で、課題を取り出して解決していくことをやっていく。そのための役割が決まってきますから自分たちが役割を果たしてくことが必要。ビジネスとして取り組んでいこうと思っています。

ガイアックス中島:「ネット」というと非常に範囲が大きい言葉なので難しい話なんですけど、ネット上でのコミュニケーションのとり方に絞ってお話させて頂くと、もっと「ネット」であることを意識せずにコミュニケーションをとっていくだろうなと。個人の情報がネットに乗っていく社会になっていう。ガイアックスは99年創業したというお話ししました。2000年にコミュニティサイトでネットに日記を書くといったものをやってきて、当時はいろんな他の会社の方に言われたんですが、「ネット上に日記を書く、あほじゃないの」みたいなことを言われたんですね、日記というのは個人で書くものでしょう、みんなが見られる場所に書く人なんかいないということを言われた。だから流行らないし、成立しないといったことを言われた。

日記でもミニメールで送ってもコメントで返ってくる。twitterの中もそうなんですけれど、みんながオープンにするということで窮屈な部分もあるけれども、プラスになる部分もあるんだなと、こんなに人とつながっていられるんだ、こういうコミュニケーションの仕方をすると、より人とのつながりが豊かになるんだなと。意外にコミュニケ―ション取りやすいなと思い始めてて。オープンにすることで楽しいと感じて自分の可能性が広がると感じている人が増えてきています。そこから知り合って起業する人もいますし。どんどん情報がオープンになってきて、リアルな人間関係とかリアルな情報をシームレスにコミュニケーションできるようになる。つながっていく状態というのが、発展していく状態というのが今後の姿かなと思っています。

イー・ガーディアン小木:メタルのように、インフラそのものが表に出てくる中で、今、スマートフォンがありますけどインターネットに接続するデバイスそのものが増えてきていて、今はネットそのものが生活に必要な時にだけ使うという形になってきているんですけれど、生活必需品になってくるんじゃないかなと。リアルな人間関係だったり、リアルなコミュニケーション、小さな単位でいうとリアルな家族のコミュニケーションもオンライン上で、リアルな人間関係の構造が成り立っていくじゃないかと思っています。そういった意味では、個人的意見ですけれどもEMAも既存の携帯電話以外のデバイス上に出てこないといけないんじゃないかと思っています。

グロバレックス中島:3、5年後なんですけれども、技術という点において変化するのはポータビリティという点ですよね。どこにでも持ち歩けるインターネットという。今、小さい携帯電話というものが主役ですが、スマートフォン、タブレットが出てきて、より身近にインターネット環境にアクセスできる。文化がどう変わっていくかというと、技術というのはポータビリティという点については進化していますし、その他、映像がスムーズに見れる、回線速度が速くなるというのはあるかと思いますが、ここ10年の発展のような技術の進展は見られないでしょうね。後は文化がどう変わっていくのかということだと思います。

結構、面白いと思ったのは入院した時に、普段はビジネスの事なんかブログで書いてもコメントあまりつかないんですけど、病室からの富士山を撮った写真を載せたら、リアクションが大きかったんですね。「明日、退院します。」とブログに書いたら「おめでとう。」などコメントが多かったんですね。これぞネットの文化なんだなと。他愛ないことに人って反応するんだなと。技術の進歩なんかよりも他愛のないコミュニケーションの方が大きい。

コミュニケーションの本質が少しずつ変わっていくとネットの文化も変わっていくんじゃないかなと漠然と考えていて。人と人とのコミュニケーションが近くなるツールとして良い方に活用してくれればネットの光の部分が出ますし、それが悪い方に転ぶとネットって怖いなというようになっていくんじゃないかと思います。

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