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「高校生のケータイ、インターネットに対する考え方(1)」
~大人へのメッセージ~

奈良県立奈良朱雀高等学校3年 金子真志氏インタビュー

カテゴリー: 情報モラル・リテラシー教育 / フィルタリング / 子どもの利用実態

先進的高校生が考えるインターネット私感(男子生徒編)

金子真志氏

高校生熟議にリーダー的立場で参加し、高校生が抱えるインターネットの安心安全に関する感じ方について、どのような変化があったのか、自分の周りの高校生のインターネット、携帯電話、スマートフォンの利用状況などについて、男子高校生の立場から率直な意見を伺った。

高校生のネット利用形態について

-金子君のネット利用を友人と比べながら教えてください。

金子)起床後、iPhoneの充電を確認してメールやブログアクセスをチェックします。移動中はブログの下書きや情報収集をします。コンテンツでは、ニュースサイトなどは利用しますが、ゲームはあまりやらないです。また掲示板利用もあまりしません。個人的には掲示板は自分より多少上の世代の利用が多いように感じています。

掲示板よりチャットの方がリアルタイムコミュニケーション向きなので、帰宅後に友人とスカイプのチャットで話したりします。学習面では、試験前の対策問題をチャットで出しあったり、写真撮影したノートをzipファイルで送ったり、といった使い方もしています。暗記物学習などでは、iPhoneの画面に直接書いて確認する暗記アプリの利用が便利ですね。僕は同級生の中では利用が進んでいる方だと思います。ただ、地域性や学校、公立か私立か、などによって学生の平均的な利用像が異なっていると思います。

-ネット利用のギャップなどで現実の友人関係に難しさを感じることはありますか?

金子)友人にはメールしかしない人、SNSをやる人などいろいろですが、リアル=現実生活での友人関係がまずあって、その延長上にネットでのコミュニケーションがあると考えています。携帯やメールなどでやり取りできない友人がいると不便を感じることはありますが、それによって特段、何か壁ができるようなことはないです。

最近の同級生の傾向としては、新規にスマホを購入してアプリを使ってみたいというきっかけから、フェイスブックやツイッターの利用が始まるというケースが多く、利用の仕方やコンテンツをお互い教えあったりしますね。

-情報サービスの選び方などはどうですか?

金子)友人とのコミュニケーションツールは主にフェイスブックのような、緩やかなクローズド環境で利用しています。ツイッターで書き込んだ場合は、キーワードがグーグルの検索にヒットしやすくなり、情報が不特定多数に向けて拡散する効果もでてきますので、状況によって使い分けています。

-サービスの提供元が国内か海外かを意識することはありますか?海外サーバには国内法の適用が及ばないようなケースが考えられますが。

金子)ネットが国境を超える環境で利用されていることが無意識の前提になっているため、サービス主体の国を考えることはないです。日本語対応していれば、それは日本の提供サービスと同じ感覚ですね。

-男女間の利用の違いなどを感じることはありますか?

金子)一般的には女子ではmixiなどSNS利用が多いように思います。また、女子はメールへの即レスを大切にしていると感じます。男子にはこの感覚は薄いのですが。

ネット端末に関わる社会のルールの在り方について

-今回の文部科学省の高校生熟議参加を通して、感じた印象を聞かせて下さい。

金子)こうした事業者の方や行政に携わる大人の側とユーザーである高校生が意見を交わせたことは、それ自体有意義であったと思います。一方で、現実問題としてルール作りを共同で進めていくことは難しい面も多いと実感しました。学生側から出された意見も、一般化した方向でまとめる段階に留まったことが残念でした。個別に踏み込んでいくことが次のステップになると思います。

そのためには、大人がまず子供の利用の仕方や世代間の価値観の違いなどをよく理解すること、子供の側が自分の利用や考え方などを親に伝えるなど、話し合いを積極的に行うことが必要だと思います。家庭でネット利用の実態や必要性をうまく伝えていないがために、お互いに分かり合えていないケースがあると感じています。

-同じく参加したメンバーとの交流はいかがでしたか?

金子)同じ高校生でも進んだ利用をしている人もいればそうでない人もいます。使い方の段階を反映させたルール作りの在り方や、議論の進め方が必要だと思います。また、僕はネットへのフィルタリングなどは必要なく、個人でスキルを高めながらリスクテークしつつ、利用を進める立場をとっていますが、フィルタリングは自己を守るツールであるとして肯定的にとらえて利用する高校生の意見を直に聞けたことにより、違う立場のユーザーへの理解が深まりました。

-今後のネット利用の在り方について、大人にどんなことを要望しますか?

金子真志氏金子)2点あります。まず、ネット利用のスキル教育などを初等教育段階から充実させてほしいことです。ちょっとした学習で、検索スキルの向上やショートカット利用といった、よりよい利用が可能になります。また、ネットの情報利用はコミュニケーション能力が大きく問われますので、作文など国語教育も重要です。加えて、ネットでの誹謗中傷や違法行為などを大人が心配するケースは多いですが、そもそも、違法行為や有害行為をしないといったことを現実社会であれネット上での行為であれ、きちんと教えていくことが重要だと思います。

2点目は、新たな情報ツールやサービスの技術開発が行われる場合に、法制度の整備を並行して進めていく枠組み作りを検討してほしいということです。新たな開発によって、利便性とともに悪用の危険性も生まれてきます。開発段階から法の抜け穴をついた利用が蔓延しないような法制度の整備を進めて欲しいです。

ネット利用への展望 ~現状と未来について

-若い世代を中心としたネットでの情報発信の力により、ジャスミン革命のような社会変動を起こすような状況も出てきましたが、こうした昨今の動きについてどう思いますか?

金子)ジャスミン革命のケースでは、自由な情報発信が市民による民主化を勝ち取ったといった肯定的な見方もあると思いますが、同時に、グーグルやフェイスブックが広告利益や企業としての立ち位置を勘案しながら一国の興亡に関与する力を持つに至った状況を怖いとも感じています。ネットの正義と同じく、ネット企業が持つ利害関係も常に意識していきたいです。

-最後に、今の大人世代はネットのなかった子供時代を経て大人の側に来たわけですが、金子君の世代にとってのネットの現状と未来について聞かせて下さい。

金子真志氏と鎌田デスク金子)親の世代はいかに多様な情報を入手するかが問題でしたが、子供の世代は多様な情報からいかに必要な情報を選択するかが問題になっているという背景の違いがあります。僕はネット上でロケーション公開したりブログに記録を残したりしていますから、記録という意味でも自分の人生のある部分がネットの存在そのものと重なっていると感じています。こういった現状の感覚の違いは、親世代とは共有しにくいものかもしれません。

未来についていえば、ネットの世界では情報発信できる人を中心に情報も技術開発も進んでいくという現状がありますから、今後は、コミュニケーションしながら、みんなで協力して大きな問題解決にあたっていくという方向に進んでいくと思います。そうした環境では、利己的な行為の抑制が全体の幸福を大きくしますから、よりよい利用が進んでいくことにより、未来の社会は今よりよい方向を目指せるのではないかと考えています。

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