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ケータイ小説家・サトインタビュー4

2010年4月13日
●ケータイ小説を執筆し、書籍化された方々は“ケータイ小説家”と呼ばれますが、実は本当に普通の学生さんやお勤めをしているお嬢さんが多いのです。ケータイ小説を書いている方々が、どのようにしてインターネット上に情報を発信し、コンテンツクリエーターとして活躍するようになったのか。それを知ることによって、多くの若い方々がどのように自己表現ツールとしてケータイを利用しているかが見えてくるのではないでしょうか。
彼女たちは、ひたむきに自分たちの気持ちや心にあることを、物語を通じて表現しています。きっとケータイがインターネットにつながっていなかったら、この心の表現を同世代の若い人たちと共感しあうということはなかったと思います。彼女たちのとても素直で自然な語りをぜひ聞いてみてください。

■将来の夢

- 将来の夢について、ケータイ小説に関してとそれ以外のことについて教えてください。

サト:小説はずっと書き続けられたらいいなと思います。将来的に自分は何になりたいとか、まだ、はっきり決まってはいないんだけど、好きなことが出来る生活を送りたいので、そういうふうに生活できる経済力も持ちたいし、しっかりとした大人になりたいなと思います。

- 書くことを職業にとは考えないの?

サト:職業にできたら幸せなんだろうと思いますけど。でもずっと書き続けることも同じくらい幸せですよね。

- マンガの原作を書こうとかは?

サト:考えられたらすごいですね。自分の小説がマンガになったらおもしろいでしょうね。

- マンガ化された作品もありますよね? その時はどんな感じ?

サト:ニヤニヤが止まらなかったです(笑)。

- 今後、どんな作品書きたいですか

サト:絶対にハッピーエンドがいいんですよ。楽しい話が書きたいです。男の子目線で書いてみたいです。自由に、いろいろ書けたらいいなって。

- 自分が男の子になって想像して書くのか。周りの男の子たちを見て書くの?

サト:そうですね。そういうのも含め、男の子ってどういうこと考えているのか分らないんで。その辺が難しいですね。

- 大人の批判を聞いたことありますか? ケータイ小説に対する批判。

サト:ないです。大人じゃないけど、すごく冷めている子に「こんな話ありえないし」って感想を書かれたこともありますけど、あり得ないからみんな読んでいるんであって。あり得る話を読んでも面白くないし。

- 瀬戸内寂聴*さん知っていますか? 瀬戸内さんのケータイ小説があること知っています?

サト:ニュースで見ました。この人も書くんだ!って。全部読んだ訳じゃないけど、すごい少女っぽい感じの内容だったんで、瀬戸内さんも女の子なんだなって(笑)。

(*せとうちじゃくちょう。小説家。2008年「ぱーぷる」の名前でケータイ小説を執筆、刊行。プロの作家がケータイ小説を書いたことで話題になった。)

- 瀬戸内さんも書くんだって驚きましたよね?

サト:ちょっと親近感がわきました。

- 物語をすべて書き終えた時には?

サト:放心状態に近い状態ですね。もう終わったのかぁって。

- 次に至るまでは?

サト:次を考えてなくて。ひとまず終わったことで達成感でした。

- また、次の話も自然に生まれてくる感じなのかな?

サト:そうですね。

- サトさんの作品には『夏色』みたいにテーマが先にあって書かれたものもありますよね。お題をもらって書くというのはどんな感じ?

サト:すごく緊張します。締切もあるので、大丈夫かなとかプレッシャーで書けなくなったりっていうのもありましたけど。『夏色』は、お風呂上りにタオルでガシガシ髪の毛を拭いているときにすんなり出てきました。

(*「夏の恋」をテーマにした短編小説)

●奇しくも、瀬戸内さんは、初めてケータイ小説を書いた時に「秘密」というときめきを感じられたと、ある講演で表現されていましたが、サトさんも自分が小説を書いていることが「秘密」であり、ひそかな喜びと表現していました。これは、女性共通のときめきなのかもしれません。書くこと、表現することは、人生の喜びであることがサトさんの表現から伝わってきます。けっして職業として考えているのではないということがとても自然に伝わってきます。

■子どもたちへのメッセージをお願いします

- 今、大人がケータイを持つなと言ったり、ケータイ小説も大人から見ればあまり良くないと感じる部分もあるじゃないですか、ぜひ後輩達にメッセージというかエールを送ってもらいたいんですが。

サト:あまり、束縛されずに正しく使ってほしいですね。余裕ある使い方をして欲しいです。メールに縛られたりとか、ケータイ小説を書いていると余裕がなくなっちゃう時もあるけど、五分五分ぐらいで。休みのときはすごく更新できるけど、平日はやることをやってから、みたいな感じで使ってほしいです。

- 大人たちからの、「ケータイは良くない」という声に対しては?

サト:ある程度の免疫というか、大人になってから、いきなり良くないサイトとかに触れるほうが危ないと思います。友達同士でトラブルについて話したりとか、身近な大人達の経験談もありますし。実際に使っているほうがより身近に感じて、怖いところを避けるようになりました。

- 大人が子どもたちを心配することに対しては?

サト:心配するのは良いけど、心配しすぎると逆に子どもをダメにするじゃないですか?。携帯を買うときに販売店の人に「フィルタリングサービスがあるんですけど、どうですか」って勧められて、よくわからずに「別に変なサイト見ないし、いいよ」っていったら(フィルタリングで)mixiが見られなくて。mixiが見られない!って解除しました。

- 大人に対してのメッセージは?

サト:成長していく上で、子どもは大人のことを理解しようとしていて、大人とか社会とか受け入れられない部分もあるんですけど、それも、全部受け止める中で考える部分もあると思うんです。そういうことを繰り返して大人になるわけじゃないですか。

だから、子どもは大人のことを受け入れようとしているのだから、大人も子どもたちのことを受け入れてあげてほしいんですね。ケータイが悪いわけではないですけど、そういう知識をもっと一緒に子どもたちと考えていけばもっとよくなるじゃないと。

●サトさんが最後のメッセージを語っている時、私はとても心がゆれ、感動しました。ストレートにサトさんの気持ちを感じます。子どもたちは、自分のお父さんやお母さんも大好きだし、周りの大人たちを一生懸命理解しようとしていることは、小学校、中学校、高校で子どもたちの話を聞かせてもらったり、彼ら(彼女ら)に書いてもらったことを通し、ずっと感じていました。いつも子どもたちの優しさを感じるのです。本来分かってあげなければならない立場にあるのは大人たちです。

そのことをもっと大人は理解し、努力しなければならないと心から感じます。

この号終了

(鎌田真樹子 株式会社魔法のiらんど 安心安全インターネット向上推進室 室長)


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