■規制条例が投げかける影響

―今回の条例改正について全国から注目を集めていますよね。立案者としてはどのようにお考えでしょうか?

宮元:全国で初めてやるということが大事なんです。二番煎じ三番煎じではインパクトがないんですよ。地方から国を動かすことが出来る一つの考え方なんです。他の自治体が関心を持ってくれて、そこが多ければ多いほど志は果たせるので、追随してもらいたいですね。

―他自治体から石川県にヒアリングに来られることも多いと聞きましたが。

宮元:他自治体の議員はかなり来ています。話を聞きに来たり、政務活動の一環として、執行部に来ているみたいですよ。今でも大手の新聞で取り上げてもらったりしていまして、非常にありがたいですね

―他県では啓発活動が行なわれず、単純に所持規制だけ行われる可能性はないでしょうか?

宮元:そんな度胸のあるところはないですよ。いろいろ聞いてきますけど、そこまで強制力がある所持規制をするのは基本的に違法、憲法違反ですから。ここまで話しても、なかなか分かってもらえないんですよ。

■情報リテラシー啓発の課題

―保護者への情報リテラシー啓発プログラムが必要だと思いますが。

宮元:必要ですね。携帯電話不所持について条例化しましたが、本来であれば条例化は必要ないことなんです。昔の日本であれば、しつけ、家庭内教育がしっかりとしていたんですが、現在ではそうではなくなっています。それを代わりに行政が行っているというのが、本当のところですよね。そうしないと、どうしようもなくなっているんではないでしょうか。

―保護者に対する啓発プランとはどのようなものですか?

宮元:行政の家庭への関わり方についていろいろと指摘する方もいますが、行政は血税である教育予算を獲得した上で子ども達に行っているわけで、説明責任もある側です。どこかが手本にならざるを得ない時に、行政が権威者になっていくべきだと僕は思いますけどね。(家庭内の)自主性に任せますというと、野放しになるわけですよ。

―子どもたちに対してリテラシー教育を行った後、その効果測定はどのようにしていくのですか?

宮元:技術的な面は分かりませんけども、もともと情報リテラシー教育を行おうとしていたが、ほとんど機能していないわけですよね。かと言って、それはやめてしまえということではなく、それと同時にしつけも行っていかなければならないと僕は思います。子どもが防犯、防災の目的で(携帯電話を)使うのは良いけれども、それ以外にプラスになるか私は、非常に疑問ですね。

―条例の第33条2の4に、「保護者、地域団体、学校関係者その他の青少年の健全育成に携わる者は、相互に連携して、携帯電話端末等の適切な利用に関する取組の促進に努めるものとする」とあります。この文言があるということは、県下の学校に対して何か啓発プログラムがあるのですか?

宮元:去年、石川県の監査委員をしていた時に、各高校を回ったんです。学校の校長、責任者の先生の本音は、出来れば(生徒に)携帯電話を持たせたくない、勉強に専念してほしい訳ですよ。責任ある立場のだれかが旗を立ててくれば指導し易いと直接聞いたものですから、旗を立てなければいけないだろうと。さっきの非行の問題もそうですけど、小学生、中学生でもみんな一緒ですよ。教育現場は絶対、(この条例改正について)喜んでいると思いますよ。

―既に携帯電話は社会的インフラとなってますから、大人になれば、いずれは持つわけですよね。その時までに、何らかの教育プランはあるんでしょうか?

宮元:そんなものないですけど、僕らだっていきなり使っていたわけですから。そんなことよりも道徳観、倫理観や分別わきまえた人間を作るべきで、その上で情報機器を使えば良いのではないでしょうか。現状で携帯電話に依存し、本を読まないことなどが問題になっている訳です。

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(一般社団法人インターネットユーザー協会 代表理事 小寺信良)