■ケータイはどういった存在ですか?
― サトさんにとってケータイ自体はどういう存在ですか?
サト:執着とかはないんですけど“相棒”みたいな感じですね。
― 何の相棒?
サト:私の場合は小説を書いているので、(ケータイを)けっこう気にしたりはしますけど。もしケータイ小説をやってなかったら、あってもなくても大丈夫。
― 表現のツールとしての相棒という感じですかね?
サト:そうですね。あとは目覚まし(笑)。
― ケータイは可愛く飾っていますか?
サト:前までプリクラとか貼っていたんですけど、最近、新しくして。ドコモの、何か最近、CMしている…。初めてドコモにしたら全然分らなくて。
― サトさんはお風呂の中にもケータイ持ってく?
サト:それはないですよ。後で拭くのが面倒くさい。メールとか逆にちょっと止めたぐらいの方が楽しい。
― もしもケータイがなかったらどうでしょう?
サト:ケータイがなかったらケータイ小説に出会ってはないと思うんで。ひたすらパソコンに打っていたのかなって感じで。自分で物語を作ってたろうけど、サイトは作ってなかったかなと思います。
■ケータイを使っていて、困ったこと、負の面はありますか?
― ケータイを使っていて困ったことは何かありますか?
サト:一回、高校生の時に「こういうサイトに登録したのに、登録がまだ解除されてないから、いくらいくら払わないといけない」っていうメールがきたことはありましたけど。
― 変な人とかに誘われたことはない?
サト:そういう事は、なかったんですけど。知り合いの人ですが、新しい携帯にしたら、前に使っていた人がやくざ関係の人で追われていたみたいで、それで怖い電話がかかってきて。その友人は、そういうのを怖がらない人だったんで、「違いますよ」って教えたら、相手の人は納得してくれたみたいなんですけど。そういうことを聞くと怖いなと思います。
― 逆にケータイに支配されちゃうとかはないですか?
サト:そういうことはなかったです。
― 学校の中でインターネットについて学んだことは?
サト:まだ、私たちが中学生くらいの時は、ケータイをクラスの半分以下ぐらいしか持ってなかったので、そういう授業は特には、なかったんですけど。ただ、出会い系とかで何十万とか請求されたって話が全校生徒の話し合いみたいな時に出たりして。出会いをネットに求めるのはどうかなぁって。
― 学校の中では特に情報モラルとかを学んだことはない?
サト:学校の中で情報処理の時間にウイルスとかハッカーとかについては勉強しました。モラルとかについてはなかったです
― 自分が今、中学生ぐらいだったらケータイとの付き合い方はどうかな?
サト:普通にしていたと思いますけど。特に学校で習ってなかったけど、周りにこういうトラブルにあった人がいたからこういうことに気をつけよう、みたいなことはありました。こういうメールが来たけど携帯の会社の名前が入ってないと偽物らしいよ、とか。
― 自分達で学んできているんだよね
サト:そうですね。
●ケータイという大変身近なツールが、情報発信の有能な道具となること。そのことに意味があることがよくわかりますね。
今の中学生や高校生は、授業でインターネットの危険性やケータイのことなどを授業で勉強している場合が多いですが、サトさんの世代は、ほとんど学校で正式なネットに関する勉強をしてない世代だと思います*。
この世代の若者たちは、自分たちでインターネットを利用しながら自力で学んできた、サバイバルな世代です。
この世代の子どもたちは、情報科という授業は受けていますが、情報リテラシーやモラルについて正式に学ぶことができなかった世代でもあると思います。情報モラル教育は、まだまだ遅れています。徐々に整備されていくと思いますが、啓発教育の機会をもっと早いうちに、広く普及していかなければならないと感じます。
(*魔法のiらんどが実施した2007年12月webアンケートで「ケータイルール・マナーを学習したことがありますか?」という問いに対して中学生以下は学校で習ったと答えた割合が40%近くなっている。一方で高校生以上では学校で習ったと答えた割合が15%を下回った結果となっている。)
■ホームページ運営について
― 自分のHPを運営する上で気をつけていることはありますか?
サト:変なサイトに簡単に飛べたり(飛ぶ=移動する)するじゃないですか。そういうのを減らそうと思って気を付けています。読者の人から、手紙をもらった際、結構低い年齢の人が読んでいたのを知ったので。リンクとかランキングサイトの誘いが来るんですけど、断って、変なページに飛ばさないようにしようと思っています。
― 健全な感じで運営しているのね。
サト:一応(笑)。
― 自分のHPを読んで貰うために努力していることは?
サト:最初、なるべく小説を多く更新しようと思って、頻繁に更新していたんですけど、今はあまり更新してないです…。日記やブログ的なものを更新してみたり、イラストを描いてみたりしました。
― 素材を集めてじゃなくて自分で書いたんですね?
サト:素材屋サイトの素材を貼ったらバナーとかつけなきゃいけないので使っていないです。自分で簡単にできるので。
― HPの作りはすごいシンプルなんだよね?
サト:自分で真夜中に、部屋が暗い状態で見たりするので。背景を黒くして。夜寝る前に見るので背景が白いと目がチカチカしちゃうので(笑)。
― 読者さんからの要望に応えることはありますか?
サト:更新情報のところに更新したページ数を書いてほしいって言われて。それまで面倒でページ数を書かなかったんですけど、確かに読んでいる方にしたら、そっちのほうが親切かなって思って最近は書くようにしています。
― 読者さんとの交流は?
サト:最初はちょっとありましたけど。スレッドを立てたりもされて、交流できるのはすごく良いと思うんです。ただ、忙しかったり、私が面倒くさがりだったりで、あんまり返信できなくて。今、交流は全くないです。
― 掲示板は?
サト:一応、(自分のHP上で)コメントを載せる場所もあるんですけど、掲示板は、ないです。
― 読者さんからのメッセージというのはそれほど気にしてない?
サト:あんまり。貰えると嬉しいですけど、そうでないコメントもあるので、やる気がそがれちゃう。
― 応援メッセージをもらったときはどうですか?
サト:それは嬉しいです。
― HPを運営して良かったことは?
サト:自分が書ける場所があったというのが嬉しかったし、人が見に来てくれるのでやる気がでるし。
― 他にもHPをもつことで大きく変わったことは?
サト:そうですね。毎日が楽しくなりました。
●ケータイ小説家はケータイ小説を書くだけではなく、HPを作成し、コミュニティをうまく運営できないと、人気作家にはなれません。
自分の作品のファンの感想や意見やコミュニケーションを管理し、意見を参考にし、またサイト運営・・・作家でありながら、コンテンツ配信者であり、編集、営業も含め自分でプロデュースするのですね。
ケータイ小説の面白さは、多くの人たちの感想、コメントが寄せられることによって、ファンの方と作者さんとが交流しあいながら創作が進むということがとても大きな特徴でありメリットです。
今までにない形です。ケータイ小説を書く若い人たちは自分で意識している、していないにかかわらずみんな大変高いレベルを要求されるインターネット上の情報発信者、サイト運営者、コンテンツ配信者となるのです。インターネットの専門知識をあまり理解していなくても、彼女たちは直観的に、感覚で理解しているようです。
次号に続く
(鎌田真樹子 株式会社魔法のiらんど 安心安全インターネット向上推進室 室長)

