■町民会議と運動の実態
- 町民会議と行政との関わりは、具体的にどのようなものなんですか?
桝谷:行政は事業委託という形で現在100万、当時120万円の予算を下しています。町民会議の事務局は、町役場の少年育成センター内に置いています。
- この「プロジェクトK」の目的は、最終的には携帯の所持をさせないというところにあるのでしょうか?
粟:基本的にはそういうことになります。持たせないことを家庭の保護者だけに話をしておいても浸透しないので、町民みんながうちの町は中学生までは携帯を持たなくて良い、という意識を作っていけばという感じです。同時に面積の小さな町ですから、携帯を持たなくても子育ての安全や安心を含めて、支援体制が保たれる状態に取り組んでいます。
- こうした運動の周知の方法は?
桝谷:講座を開くといった活動の他に、中学生に隔年で啓発ポスターと標語を書かせる、看板を作るといったことが中心です。
- 保護者の中には、子どもの塾通いのために携帯を持たせたいという考えもあるのでは?
粟:この辺りの塾には理解を頂いて、子どもの入退出を親の方へメール送信するシステムを導入しているところがほとんどで、子ども自体が携帯電話を持たなくても親が子どもの状態を把握出来るようにしているんですね。あえて携帯を持たせなくても、塾の対応が追いついてきている。もちろん、これは塾の方の自主的取り組みですけど。
桝谷:自治体からは特に働きかけはなしです。町民会議の活動の方が早く始まっていますけど、3~4年前からは、塾独自の取り組みで行っています。
- 不所持への取り組みだけでなく、より良い利用、教育への取り組みについてはどのようにお考えですか?
桝谷:携帯電話の教育については、講座などで有害性と同時に、将来のよりよい使い方への説明を中学3年卒業前の子供達に行っています。講師はeネットキャラバンの講師の方に来て頂いたりだとか。中学校を回ってね。
- 過去7年間の今までの取り組みの評価については?
粟:所持率は明らかに低い率を保ってますね。
桝谷:また非行や補導率が低いというデータが上がってますし、学力は高いですしね。これには、学校の先生が携帯関連の指導をしなくても保護者や地域で賄えていて、学校の負担は減ったことによる効果もあると思います。
- 携帯電話所持について、町の中で温度差はあるのでしょうか?
粟:よそから転入された人が持ち込むというのはあるとは思いますけど、取組み自体は分かってもらっていて、子どもに買い与えにくい状況にはなっているかなと。
桝谷:最近は経済状態が悪化したこともあり、みんなが持っていないなら、あえて月額何千円もかかる携帯電話を小学校から持たせなくても、と思っている親が増えているのも追い風ですね。携帯はみんな持っているから欲しがるものですから、周りが持っていなければ子どももあきらめるんですね。
以下次号に続く
(一般社団法人インターネットユーザー協会 代表理事 小寺信良)

