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これからの学校におけるICT教育について3「熟議カケアイでの取り組みを通じて」

2010年9月7日
「熟議カケアイ」のアイディアを温め、提唱し、自ら進めてこられた文科省 鈴木寛副大臣にお話を伺いました。大変深い内容です。ぜひ皆様お読みになってください。

■(3)ICT教育について

-今後、学校におけるICT教育についてのビジョンを具現化していく方法としてはどのようにお考えでしょうか?

モデルを事例として積み重ねていくことですね。百聞は一見にしかずですから。ただ、そのために教員へのサポート体制、教員自身が学び直すためのバックアップは必要です。

教員が情報機器の操作ができるかどうかという話は、二極化していると言えますね。使いこなせている人もいますし、いない人もいる。ただ、世の中で言われているほど、使いこなせないわけではないです。メディアの報道は使いこなせない人をフォーカスしがちですけど、この部分については、私はあまり心配していません。なぜならソフトがものすごく改良されているわけですね。小2でも使いこなせます。タイピングできなくても50音表からマウス操作で作文が書けるといったソフトも出てきました。教育の情報化について批判を行う人がいますが、弱視の人のための拡大教科書など、カスタマイズ化された電子化は不可欠な部分もあります。利用者はこの批判に対しては怒っていますよ。

また、公立学校の整備、LAN無線の整備などは必要でしょう。この前も公立中学校に行ったんですけど5年前の機器を使っていました。

-最近の例では、Twitterを使って、学校行事を紹介している公立中学校もあり、その取り組みは保護者にも歓迎されているようでした。全体的に学校の取り組みも変わりつつある兆しを感じていますが、どのようにお考えですか?

我々の役割は、子ども達にとって必要な環境を作るということです。その環境の中で発達心理学のプロである現場の先生が、何が子どもたちの学習環境に必要かを選択し、カスタマイズし、インテグレートすれば良いわけです。

小学校の低学年は、紙とネットと両方を使います。なぜなら、電子媒体のインターフェースは、まだ発展途上で、紙と比較すると稚拙なんですよ。まだ、タッチペンは画面操作の際に滑ってしまうことがある。ただ、次々と改良されたものはすぐに出てきますよね。

現在、小学校では鉛筆の4B、2Bと鉛筆の柔らかさの違いによっての使い方を教えるほどのきめ細やかな教授を行っていますが、ICTではそこまで追いつかない。まだ、インターフェースが平面でソリッドですよね。やはり認知心理学的にいうと、まだまだ紙に負けているところがある。電子ペーパー、電子ノートの開発・普及のステージまで待たねばならないでしょう。子どもに使わせるには、五感すべてを使っていくことが必要ですし、触覚を働かせることは重要になるんですね。メディアラボとかはそういった研究所では、五感を働かせる情報端末についての研究をしていますね。ですから端末もこれから進化していくでしょうね。

例えば辞書引きは、最初は紙の辞書をひいた方が良い。実際に紙の辞書を触って引いた方が、対応関係を感じ、覚えやすいところがあるんですね。辞書を引いている時間は30秒ほどかかる。それが即座にひけるようになるまでは、辞書引きさせた方が良いんですよ。そうすると頭の中に語句の意味が定着します。ただ、書き順に関しては電子端末の方が良い書き順を正しく覚える。紙とネット、良いところをベストミックスすればよいんです。

ちょうど、国内メーカーも新しい電子書籍の端末が登場すると発表がありましたね。コストのことを考えなければ学習環境というのは、多様な環境、様々な端末があった方が良い。環境はリッチにしておいてプロである教師が生徒の状況、学びの内容に応じて選択する、まさに教育の世界もクリック&モルタルなんですよ。

次号に続く

(鎌田真樹子 株式会社魔法のiらんど 安心安全インターネット向上推進室 室長)


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