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コミュニティサイトのあるべき姿 庄司昌彦氏インタビュー2

2011年3月2日
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)講師/主任研究員の庄司昌彦氏のインタビュー2です。

地域SNSは、2005年ぐらいからmixiやGREEに触発されて登場しました。またOpenPNEというオープンソースのSNSエンジンによって自分でSNSを立ち上げられるようになって、2006年ごろから急増しました。2010年2月の段階で約500カ所存在します。規模は平均すると7、 800人くらいです。中には1万人というものもあります。
ブログを作っても毎日のように続けられる人が少ないのと同じで、SNSも8割くらいはあまり活性化できていないんですけど。逆に言うと2割くらいはまあまあ使われていて、そのうちの30~50か所ではさっきお話したような興味深い取組みやリアルなイベントなどに結びついています。

- ネットの活用の良い面がアピールできない。良い事例について光が当たれば良いのかなと。

そうですね。飲み会を呼びかけたら100人近く集まって友達が増えたとか、地域SNSに関連したちょっと良い話っていうのは、本当にいっぱいあるんですよ。地方紙に取り上げられるくらいで全国区のニュースにはなかなかなりませんが。

そして取り上げられるとなると、地域SNSの大半がうまく行っていない、ということになってしまう。また、地域SNSは全国区でマーケットを見ている人からすると規模が小さいのでなかなか注目してもらえないんですね。やりようによって可能性はあると思うんですが。

- 地域SNSでの管理は自発的な場合が多いんですか?

一番多いのは地元の企業が運営するものですね。IT企業が多いですし、新聞社がやることもあります。もちろん自治体がやっているものも2割程度ありますし、 NPOもあります。いずれにしろ小さいコミュニティなので、自分たちでルールを作るし、何か問題が起きれば、ユーザーが教えてくれたり、自分たちで解決したりとか、運営者とユーザーの距離が近い関係を保ちながら管理することが多いです。

- 大きくなるとどうだということがあると思うんですけれど。大きいところの運営者とユーザーさんとの関係をどのようにお考えですか?

小規模のSNSでは運営者も数人と少ないので、運営者も色々な課題への対応が十分できなかったりするんですね。でもそういう弱さを見せることが、ユーザーからの助け船を誘発して、次第にユーザーの参加意識を高めていって、結果としていい雰囲気のコミュニティが形成されることがあるんですね。逆に、運営者が人格を消してユーザーをお客様扱いしてしまうと、両者の間には壁ができて、ユーザー側も要求型になっていきがちです。

大きなサイトでもたまにそういう顔が見える運営者がいますね。サイトの中で運営者とユーザー、あるいはユーザー同士がどれだけ「つながっている」という感覚を持てるかがコミュニティサイトでは重要な要素だろうと思います。

サイトが大きくなれば、知らない人が増えてきますよね。でも地域SNSだと、知り合いの知り合いの知り合い、つまり3ステップ先くらいまで収まっています。でもmixiは5ステップくらいまでです。5ステップだと相当遠いですよね。そうなると不安を感じるようになるし、実際に変な人もいるだろうということで個人の振る舞いとしても警戒心が強まりますね。だからmixiでは日記の公開範囲を知り合いに限定する人が多いですが、地域SNSでは全員に公開することが普通です。

- SNSの使い分けはできる?

できると思います。実際の社会を考えると、人は一つだけの社会に所属しているわけではないですよね。一つの社会で失敗したら人生全てがおしまいとなったらきついし、複数の社会に所属して色々な顔を使い分ける方が精神的な安定も保てると思うんですね。しかも最近は、ネットを使ってこれまでにない色々なコミュニティに参加する可能性も広がっています。そういうことを踏まえると、SNSも一つではなくて複数を使い分けたいと思うようになるのではないでしょうか。

子どもについても、できればいくつかのコミュニティに所属させていきたい、そうあるべきだと思うんですね。これももちろん段階を設けるべきですが、学校以外のコミュニティに所属していく、子どもだけではないところに参加していく、そういう機会の提供とコントロールはネットが支援できることでしょう。

- 私達は大人になってからインターネットに接して、社会に対しての活用性を模索していた訳ですが、生まれた時からネットに触れていた中学生、高校生の可能性がどこまで広がるとお考えですか?

最近、中国に行って、政府の規制をかいくぐってTwitterで世界とつながろうとしている人達の話を聞きました。世界に伝えたいことは英語でTweetして広まりやすくするとか、世界の人に見てもらうことをすごく意識してやっているんです。彼らはインターネットで新しい可能性を手に入れたわけです。

それから、Appleの新製品発表があった時にUSTREAMでスティーブ・ジョブズの英語のプレゼンを解説してくれる中学生か高校生の子がいたんですが、彼はインターネットがあることで世界とつながり、しかもApple製品好きという同好のコミュニティでは年齢に関係なく大人と交流していました。ネットの技術やサービスによって彼の世界は広がっているわけです。人にもよりますが、こういう新しい可能性をどんどん活かしてほしいですね。

次号に続く

(鎌田真樹子)


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