石川県県庁インタビュー3
今回は石川県庁にて、健康福祉部少子化対策監室子ども政策担当課長 清水健次氏、保護者に対する周知・啓蒙を担当する立場から教育委員会事務局 生涯学習課 課長補佐 宮﨑謙治氏、学校に対する指導を担当する教育委員会事務局 学校指導課 生徒指導担当 課長補佐 川内斉氏にお話を伺った。
■地域活動のあり方
-子どもたちの活動が広域化しているということは、地域の広い範囲で大人がちゃんと子どもを見ていく活動が必要になりますよね?
川内:そういうことになりますね。学校だけではなかなか対応しきれない。学校間の連携が必要ですし、それだけでは十分でありませんから、やはり地域や保護者に加わっていただき、連携の中で子供たちを見守っていくことが必要になっています。
-何か市民運動みたいなものは計画しているんですか?例えば長崎県では大規模な声掛け運動などが行われているようですけど。
川内:そういった市民運動が計画されているかどうかは、把握できておりません。
-第三者の大人が声をかけて不審者扱いされてしまう、いわうる「声かけ事案」の頻発と、地域の大人が子どもを見守るというのはうまくかみ合わない部分があると思うんですけど、そのあたりの対策というか手段はありますか?
川内:難しいご質問で、申し訳ありませんが、根本的な解決方法は思いつきません。
-石川県では不審者の声かけ事案はあまりないんですかね?
川内:時々あります。車で近づいてきた不審者に、下校中の小学生が声をかけられるということがあります。重大な被害に及ばないまでも、声をかけられたということは時々あります。
■注目を集める条例
-県としては、所持規制について全国から注目されて、困ったなという感じなんですか?
清水:確かに見た目というか、感覚的には条例で持たせるな、ということを規定するのは非常に特異というか、珍しい規定であるので、注目されるのは仕方がないかとは思います。ただ、中身は持たせてはいけないという規制ではないので、何らかのアクションを起こす必要があると県民の方々にアピールする効果は大きかったのかなと思います。
-「持たせない」という言葉自体にインパクトがあるんですかね。
清水:やっぱりマスコミなどで、何で持たせないんだという報道をされます。条例では何が何でも持つなとは言っていないので、そこは正直、誤解されている面もあります。あまり知られていないのは、子ども向けケータイがあるんですよね。メールやネットが使えないとか、そういった端末の情報もどんどん提供していくべきなのかなと思いますね。
-携帯だけではなく、今はゲーム機などネットに繋がるいろんな情報機器がありますけど?
清水:問題意識としてはありますが、今は普及率の高い携帯電話にターゲットを絞っています。
-条例見直しの期間とかきっかけは、何かもうけられているんでしょうか?
清水:条例そのものが、「3年たったら見直しますよ」となっていますので、その期間で見直すということも想定されます。また青少年インターネット環境整備法が見直しされて影響を受けるならば、見直しをする必要があるかもしれません。
■無関心な保護者への対策
-我々も保護者の方に情報リテラシーの普及・啓発シンポジウムをやっていますけど、なかなか保護者の方に関心を持ってもらうのは難しいですよね。
清水:そういうところに参加される方は、関心を持っていただいているのでよいのですが、問題は、無関心で来られない方に本当は周知すべきだと思います。
-私が模索した中では、入学準備説明会あたりが一番保護者が全員集まって、話もしやすいんじゃないかと思うんです。
川内:おっしゃるとおりですね。高校では、仮入学の機会などを利用して保護者に、生徒指導や特別活動などの高校生活の基本を担当の教員からお話しすることがあり、携帯電話についても話をする学校があると聞いています。
-全県的な活動としては、今のところないんですよね?
川内:今のところないですが、今後は対応していく必要があると考えています。
-石川県が一番やらなくちゃいけない立場のような気がしますけど。
川内:そうですね。携帯電話の所持率が高い高校生に対しては、そういう方法が効果的だと思いますが、小中学生に対しては、やはり地域の理解と協力も大切ではないかなと思います。本県では野々市町が「小中学生に携帯電話を持たせない運動」に取り組んでいるように、基本的には地域や保護者の方々の気運が大切であり、この条例が子どもの携帯電話に関する諸問題について大人が考えるきっかけにもなればと考えています。
この号終了
(一般社団法人インターネットユーザー協会 代表理事 小寺信良)

