もっとグッドタイムス

「もっとグッドタイムス」は、ネットに関するさまざまな情報の提供により、
皆様のナレッジ集積とネットに関する活発な議論のきっかけ作りを企図しています。

もっとグッドネットへ戻る


石川県議会議員 宮元陸氏インタビュー2

2010年2月2日
自由民主党石川県議会議員の宮元陸氏のインタビュー2です。

■条例の性格

-「インターネット環境整備法」が09年4月から立ち上がりましたが、この時の議論はどのようにご覧になっていましたか?

宮元:国でも教育再生懇談会などでの議論がありましたが、なかなか(国単位で子ども達の携帯電話所持規制について)強制力を持たせるのは難しいし、最後は教育の問題かなというように思っていました。

県の改正条例は、フィルタリングの点では国のインターネット環境整備法と補完関係にあります。地方自治体の条例は、国の法律を飛び越えて制定することはできませんから。

-携帯電話の所持規制の部分はいかがでしょう。

宮元:所持規制については「努力義務」で、ご存じの通り拘束力はないですから。訓示的な意味での条例であり、啓発活動、呼びかけのようなものだと考えています。

-つまりこの条例の目的は、携帯電話の所持率を低下させることではなく、親に対して情報社会の在り方について考えさせるというのが落とし所でしょうか?

宮元:落とし所は、まさにそこですね。子どもが携帯電話の通話料を払う訳ではないですから、親に対しての話ですよ。強制力は全くなく、携帯電話の所持、不所持については本人の意志次第ですが、改正条例のように文言を明文化することに意義があるんです。分かっていても言わないのが今の世の中ですから。

-それでしたら、この条例はだいぶ誤解されてますよ。

宮元:携帯電話の所持規制ってなんて強引な、という感じでしょうね。まぁ小学生、中学生は(携帯電話は)いらないだろうと。田舎といったら怒られますけど、地方ではそういう考え方が多いと思いますよ。だからテレビやマスコミは「持たせない」条例と取り上げて、中身と努力義務の言葉自体もあまり分かっていない。半強制的に持たせないようにするのでは思われてしまっているんでしょ?

-所持規制という表現が、やはりインパクトありますからね。

宮元:ストレートな表現を使うことによって関心をひくのも事実なんで。石川県は最初ものすごく嫌がったんですよ。というのも執行機関は責任を負わなければならないということで、猛烈な抵抗があった。役人だから批判を受けるのがいやなわけですよ。僕らは「批判オーケー、やってよ」という立場ですから。

しかし今回の所持規制については、強制をしたりということでは一切ないんです。強引な手法で啓発をしていこうということでもないし。条例に関してはあくまできっかけ、インパクトを与えるものであり、犯罪が多発する中で真剣に話し合いをする場を作ってほしいということなんですよ。

-ちなみに、議員はお子さんがいらっしゃるんですか?

宮元:娘は一番危ない歳なんですよ。高一、中一、小五の女の子がいるんで、心配で仕方がないんです。

-娘さんが携帯電話持っていたら、記事になっちゃいますよね。(笑)

宮元:記事になるどころか、議員をやめなきゃいけないんじゃないかと思いますよ。(笑)

-娘さんは携帯電話を持ちたいとおっしゃっていますか?

宮元:高一の長女は持ちたいと言っています。携帯電話を持っていないことで、娘が孤立しているんですよ。中学の時はそもそも所持率が低かったんですけど、高校に行ったら携帯電話を持っていない割合と持っている割合が逆転してまって。持っていない数パーセントに入っている訳ですよ。完全に孤立しているんです。

親、先生の言うことを聞いているのに孤立するのというのは、まずいことなんだよね。持っていない子を孤立させる、いじめにあうというのは絶対にいけない、それはダメですよ。

でもね、僕は絶対携帯はダメだと。娘はかなりショックを受けていたようで、最初、口をきかなかったですね。押し付けるわけでもないですけど本人のためでもあるし、ダメだと。どうしても欲しいのであれば、自分で稼げと極端な言い方もしましたけどもね。

-娘さんにはどのように説得されたんですか?

宮元:メールが来たらすぐ返さなければいけない、何秒間ルールとかあるんでしょ? あれは拘束されちゃう。便所、風呂、寝る時も肌身は出さず持っているし、これはまずいという話と、お父さんの立場の話をして。まあ相当不満だったようですよ。どうしても使いたいのであれば、家の電話をお母さんの前で使えば良いんじゃないかと。家ではそうしています。

-やはり娘さんは携帯を必要とするシーンがあるんでしょうかね?

宮元:クラブ活動などの連絡網で、携帯電話を使う場合もあるそうなんですよ。学校もそういう風にしちゃったんですよね。

-最近、そういうところ多いみたいですね。

宮元:そうでしょう。ただ部活の指示を出すのは先生とかでしょ。携帯電話等に頼らずに学校で連絡するとかね。僕の時にも連絡網がありましたよ。電話番号がピラミッド式に書いてあってね。

-最近は個人情報保護法の影響で、連絡網の扱いが難しいという話は聞きますね。過剰に反応している部分もあるとは思いますけど。

宮元:そうそうそう。アホな法律を作るからおかしくなるんでね。法には違反していないのに、過剰に反応しちゃっているんですよね。

次号に続く

(一般社団法人インターネットユーザー協会 代表理事 小寺信良)